体のために5つのオイルを。
アメリカのINHResearchではThe 5 Best Fats (That You Aren’t Eating)として、あなたが食べるべき5つのオイル「最も身体に良い油脂5」を発表しました。
①Ghee(ギー)
“奇跡のオイル”と言われているインド料理の主役でもあるギー。質の良いエネルギー源、健康に欠かせない脂質を含んでいます。
ギーは、加熱処理によって大半のカゼインとラクトース(乳糖)が除去されるため、基本的に炎症の原因となるカゼインは含まれておらず、また乳糖不耐症の方でも摂取できるといわれています。
他にもギーには酪酸(プチル酸)という腸内環境を整える成分が豊富に含まれているため、これにより便通がよくなるとも言われています。
ギーは、わずかにナッツのような風味があります。研究によるとギーは悪玉コレステロールとも言われる LDL コレステロールを上昇させることなく血中脂質を安全に増加させることが示されています。
これは、単に総コレステロールを下げる以上の効果があることを意味します。良いもの(HDL)を上げ、悪いもの(LDL)を下げます。またギーは、炎症を軽減し心臓病を予防します。ある研究では、1 日に大さじ 2 杯のギーを摂取した男性は、心臓病のリスクが 23% 低下したと示されています。
用途例:カレー、炒めものに使用、コーヒーやチャイに入れると風味豊かになります。
②Avocado Oil(アボカドオイル)
アボカド オイルには、炎症を抑える一価不飽和脂肪が豊富に含まれています。実際、オリーブオイルよりもこれらの脂肪が多く含まれています。心臓病のリスクを最大 40% 軽減するといわれているビタミン E も豊富に含まれています。
アボカドオイルに含まれるβ-シトステロール (β-sitosterol) という成分には抗がん作用があると言われています。ある研究では、マウスの癌性腫瘍の拡散を防ぐことがわかりました。
用途例:アボカドオイルは発煙点が高いため、加熱調理にも適しています。ドレッシングやソースのベースなど生での使用がおすすめ。フレッシュなものを選びましょう。
③MCT Oil(MCTオイル)
中鎖脂肪酸 (MCT) は、体がエネルギーとして燃焼する脂肪です。
中鎖脂肪酸(MCT)を多く含むオイルとしてはココナッツオイルやパームオイルが有名ですが、「MCTオイル」はこれらのオイルからMCTだけを精製して作った100%MCTのオイルのことをいいます。
中鎖脂肪酸(MCT)は、分子量が小さいのが特徴です。分子量が小さいということは、分解がされやすく消化が速いため、グルコースやアミノ酸と同じように門脈を通って直接肝臓に運ばれます。そのため、素早くエネルギー源として使われます。
カラダに蓄積しづらい特徴を持ったオイルなのでダイエットに効果的なオイルとして注目されています。
MCTオイルは体をケトーシスの状態にするのに役立ちます。これにより、炭水化物からのブドウ糖の代わりに脂肪をエネルギーとして効率良く燃焼させることができます。
糖質制限ダイエットのひとつ「ケトジェニックダイエット」は、このカラダの仕組みを利用したダイエット法です。
つまり、糖質の量を制限し、その分良質なタンパク質や脂質を多く摂って、脂肪燃焼を促しケトン体の産生力を高めるダイエット法ということです。
さらに注目されているのが「ケトン食」によるがん治療の食事療法。がん細胞は体内の他のすべての細胞とは異なり、ケトンでは生き残ることができません。がん細胞の増殖にはブドウ糖が必要です。 MCTオイルを使用することで、がんを飢えさせて死に至らしめながら、エネルギーに満ちた状態を保つことができるといわれています。
用途例:MCTオイルは、発煙点が低いため加熱調理には向きません。生のまま摂取しましょう。サラダやドリンクに入れて摂取するのが良いでしょう。※但し過剰摂取は下痢の原因にもなりますのでご注意ください
④Macadamia Oil(マカダミアオイル)
マカダミアナッツはその希少性と芳醇な味わいから「King of Nuts=ナッツの王様」とも言われています。
マカダミアナッツは実の約75%が油脂。そのマカダミアナッツを搾ってできたオイルは、油なのにサラリとして軽く、どんな自家製ドレッシングやソースにも合う繊細な味わいです。
さらに悪玉コレステロールを減らし、血管を健康に保つといわれています。
インスリンへの感受性を高めて糖尿病を予防したり、高血圧・脳卒中の予防にも役立つといわれています。これが本当に際立っているのは、オレイン酸の含有量です.
オレイン酸は血圧と炎症を低下させるはたらきがあります。
オリーブオイルが心臓病の予防に非常に効果的であると言われていますが、マカダミアオイルにはさらに多くのオレイン酸が含まれています。
実はオリーブオイルよりも熱安定性が高く、脂肪酸が多く、味はよりニュートラルです。
他にも、人間の皮脂を生成するパレミトレイン酸、銅や亜鉛、セレンなどのミネラルが豊富に含まれています。これらには抗酸化作用があり、シミ、しわなどの老化予防にも役立ちます。
用途例:サラダ、ドレッシング。熱による酸化にも強いため、ソテーや穏やかな料理にも適しています。
⑤Raw Cacao Butter(生カカオバター)
カカオニブを圧搾したクリーミーな製品です。想像されるようなチョコレートのような味はあまり感じません。
生のカカオバターは、地球上のどの食品よりも多くの抗酸化物質を誇るといわれています。
※地球上の他の食べ物(ゴジベリー、アサイベリー、ブルーベリーを合わせた 2 倍以上の量の抗酸化物質が含まれています)
気分を高めるフェネチルアミンやアナンダミドなどの化合物が含まれています。
抗酸化作用や回復力をサポートしてくれます。心臓や血管機能等を高め、血流を良くする働きもあります。カカオバターの芳醇な香りはリラックス効果を高めてくれる効果もあります。
このようにローカカオは、抗酸化作用に優れた、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富なスーパーフードです。糖尿病のリスクの軽減や心疾患のリスクを下げるマグネシウムも豊富に含まれています。ポリフェノールや鉄分も多く含んでいるため、アンチエイジングや美肌効果、貧血予防にも効果的です。
オメガ6とオメガ9脂肪酸が豊富で、フェネチルアミンとアナンダミドのような気分を高める物質も含まれています。
フェネチルアミン、アナンダマイド(アナンダミド)とは神経伝達物質の一種で、「至福物質」とも呼ばれる快感を司る物質です。 至福物質という名の通り、幸福感や高揚感をもたらし、更にはリラックス効果や記憶力増進効果もあります。恋愛によって分泌される高揚感ともいわれます。
※参考「The 5 Best Fats (That You Aren’t Eating)
In All Health Watch, Diet and Nutrition, Featured Article by INH ResearchJanuary 10, 2014
」https://www.institutefornaturalhealing.com/2014/01/the-5-best-fats-that-you-arent-eating/