感情の質
心は変わり、流れるもの。
心は特有のメカニズムで動き、考えは自動的にどこまでも流れていきます。
そして心は“考えの動き”が集まったものである、とヨガでは考えられています。
これをヴルッティ(考えの動き)といいます。
わたしたちの心は、いくつもの“考えの動き(ヴルッティ)”で作られています。
そして、質によって大きく3つにカテゴリー分けすることができます。
今のあなたの感情は、どの質が多くを占めているでしょうか?
3つの性質はどれもなくてはならないものです。
心は常にサットヴァの状態を保ちたいところですが、ラジャスのおかげで目標に向けて進むことができ行動を起こすことができます。
タマスのおかげで休息や睡眠をとることができたり、リスクを考えることができたり、一度立ち止まることができたりまします。
サットヴァの質のおかげで知識を得、愛を与えることができます。
大切なのは、そのバランスです。
心が乱れていると感じるとき、3つの質のうちどの感情が多く占めているのか、自分自身の心を見つめてみると良いでしょう。
心の動きにまかせていると、多くの時間とエネルギーが流れてしまうことがあります。
刺激があれば刺激に惹きつけられ、過去の体験にしがみついたり、未来を空想したり。
まだ起きてもいない未来に焦りや不安を感じてしまったり。
それは、考えの動きに自分が奪われてしまった、ということです。
ヨガでは、心の動きを1つの対象に定め、意思で心を1つの方向に流し続けることを練習します。
それにより、心の動きに気づき、意思で心を扱うことができるようになります。
心が乱れてしまいそうな時、自分の考えを“今いるべき場所” ”やるべきこと” に集中することで、怒りや嫉妬、後悔や悲しみという激しい感情や、過去や未来という実態のないものに自分を奪われることが少なくなります。
参考:「やさしく学ぶYOGA哲学ヨーガスートラ(向井田みお)」